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消滅時効

  1. 十年ほど前じゃろうか。私は友人に五十万円貸したんじゃ。友人じゃから特に催促もせんかった。でもお金が必要になって、その友人に貸したお金を返してくれと言ったら、時効にかかっているから返さんと言われたんじゃ。本当に返してもらえんのじゃろか?
  2. そうですね。原則として言えば、貴方のお金を返してくれという権利は時効によって消滅していると考えられます。
    ですから、友人にお金を返してもらえないと、原則的には言えます。
    しかし、例えば、お金を貸してから数年後に、その友人から利息の支払いを受けたようなときには、「時効が中断」し、利息の支払いのときからさらに十年間を経過しないと時効は完成しませんからお金を返してもらえる場合があるでしょう。
  3. 時効が完成してしまったら、どうしようもないんじゃろうな…。
  4. そうですね。ただ、時効が完成しても、その友人が債務があることを認めるような行為、例えば、債務の一部を弁済したり、債務の承認書を差し入れたりしたようなときには、もはや時効を援用(時効を主張すること)はできないと解されています。
    貴方も友人に貸金債務を承認してもらえば十年経過後でも貸金を返してもらうことができます。
    しかし、現実には貸金債務の承認は困難なことが多いので、時効の完成には注意が必要です。